Challenge 2017
2017年 マン島TTレースに参戦して
Challenge 2017
参加カテゴリー:スーパースポーツTTクラス
マン島TTレースにご協賛いただき、ありがとうございました。皆様のおかげで、無事完走することができました。本当に感謝しています!
結果は、スーパースポーツTTクラス決勝1レース目(4周走行)はエントリー台数81台中49位 1周のベストラップ19 分40 秒94 平均スピード185.100km/h決勝2レース目は、雨天の為中止となりました・・・。
初出場のマン島TT、昨年までに出場したマンクスGPとは違っていました。全クラス422台、ダブルエントリーも多く、出場ライダーは260人位です。
レースウィーク前にも関わらず、パドック内は朝から世界各国からの観戦者で混雑し、チームのパドックもほとんどのライダーが大きなトラックで、厳しい基準でエントリーを許された世界各国のライダーが真剣にレースに挑んでいる雰囲気は、「昨年走っているから・・・」という甘い考えは忘れなければと思わせられました。
初めての練習走行のスタート前、ピットからスタートゲートまでバイクに跨って前に進んで行く時に、今までの日本での準備作業と皆さまから応援の声をかけてもらったことを思い出していました。
「ああ、やっとここまで来たんだなぁ・・・」 「やっとスタートできるんだ!」スタートした瞬間は、「今 走っているんだ!!」と実感しました。
近年まれにみる天候の不順により、練習・予選走行は従来の1/3の14周しか出来ず、そのうち2~3周は事故の為、中断になりました。
2回行われるはずのレースも2回目は天候不順で中止になりました。このような状況でも、昨年から引き続き、コースの習熟と車体のセットアップを向上させ、昨年よりも着実にタイムアップをする事が出来ました。
でもそれは、簡単なことではありませんでした。
事前調査では得られなかった現地でしか知り得ない情報がありました。日本であらかじめ調査し、準備した通りにそのまま進めていくこともできたのですが、そこから得た情報を取り入れて変更しチャレンジしていくことを選択しました。結果、限られた時間と環境の中で、「かけた労力と知恵と今出来ることを全力で!」というスタッフ全員の気持ちがタイムに反映することができました。ただ、残念なことに、1回目のレースで得られた情報から、2回目のレースで試みようとしていた事が出来ず、消化不良な気持ちになりました。
私は、「年に1度しかないレースなのでレースは2回目もある」と常に思っていました。その為、2回目にピークを合わせて調整していましたが天候の悪化により2レース目は中止になってしまいました。
まさに雷に打たれたような衝撃でした。そういうこともあるんだ…と、甘い考えだったんだと思い知りました。
「2回目もある」ではなく、「年に1度しかないレースなので常に全力で、1つ1つのレースを大切にしないといけない」と思いました。
今回の結果は世界のTOPレベルには及びませんでしたが、確実にTOPレベルに近づくという大きな目標のための小さな1歩を踏み出せたと思います。
レース走行前、一人になって集中力を高めようとしていた時にふと、皆さまからの応援メッセージを縫い付けた日章旗を見て、タイムや順位にとらわれてしまいそうになるところを、もう一度原点に立ち返り、感謝の気持ちを胸に冷静になって走ることができました。
これは自分の中ではレース直前の大事なルーティンワークになっていました。このルーティンワークは、マンクスGPの時よりも、今回はさらに重要だと気付きました。日章旗のパッチを見て、「何のために走るのか?それは無事に日本に帰って来て応援してくれた全ての人々に何かを伝えるため・・・」 この事は、「自分が何のために生きているのか」という事にもつながっているんだと。危険だからこそ、応援してくれる皆様の思いと自分の感覚をシンクロさせながら生きている実感を味わう・・・。まだはっきりと確信はつかめていないのですが、それは110年も人々を魅了し続ける、世界最古のロードレースのマン島TTレースの醍醐味なのかと思い始めました。
レース終了後、TTレース主催者を訪ねたところ来年の出場許可を頂きました。TTレースで得たことや感じたことをもっと皆さまにお伝えし、そして共有するためにも、出場し続けていきたいと思っています。
パドックに掲げていた日章旗に縫い付けたチャレンジパッチの「意志があれば現実は少しずつでも動いていく」
というチャレンジ精神のパワーをマン島でチャージしてきました。バイクに貼ったお名前シールと共に、皆さまのお手元にお届け致します。
今度は、皆さまのチャレンジが叶いますように!
心の励みをいただき、誠にありがとうこざいました。
バイクが9月に日本に戻ってくるので、報告会やレース会場、イベントでのブースで皆さまにお会いできた際にはお話させていただきたいと思います。今後とも変わらずのご支援のほど、何卒よろしくお願いいたします。
マン島ライダー 山中正之